議会事務局長 渡 辺 肇
議会事務局次長 野 村 一
議事課主幹 岡 村 辰次郎
議事課主幹 斉 藤 達 誠
議事課副主幹 近 藤 宗 明
議事課主査 森 章
議事課書記 長 崎 義 貴
午前9時30分 開議
○議長(飯田瑛一君)
おはようございます。
ただいまから継続議会の会議を開きます。
ただいまの出席議員は59名でありますので、議会の成立を認めます。
これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程はお手元に配付したとおりでありますので、これをもって報告にかえます。
これより日程に入ります。
日程第1、議案第77号から日程第28、認定第12号までの質疑及び日程第29、一般質問を行います。
順次発言を許します。
質問及び答弁者は簡潔にお願いをいたします。
加藤錠司郎君。
◆11番(
加藤錠司郎君) (登壇)
皆さん、おはようございます。
今回は財政について、まずお伺いいたします。
18年度
地方交付税について。
今議会に提出された
補正予算案でも明らかなように、今年度の
普通交付税の額は19億 394万 5,000円と決定し、同時に議論すべき
臨時財政対策債の額は14億 1,600万円と、多少の増減はあったにせよ、ほぼ予算額を確保したものになりました。これは、2006年の
経済財政諮問会議の基本方針、1.現行の法定税率を堅持する、2.過去3年間、毎年1兆円近く削減してきた
地方交付税については、地方が安心感を持って中期的に予見可能性のある財政運営を行ってもらえるよう(中略)適切に対処する、3.安定的な財政運営に必要となる地方税、交付税等の一般財源の総額を確保する等々によるものだと考えられます。この決定以前に論議された
交付税総額の削減や交付税の
財源保障機能の廃止等には触れず、地方六団体からもおおむね好意的に迎えられました。しかし、来年度から導入されるとも言われている
新型交付税 ―― 算定を人口、面積でするような簡素化されたものになるように言われています ―― のあり方次第では、地方側の危惧するようなものにもなりかねないと考えられます。
また、旧稲沢市単独の16年度に続き、新稲沢市として初めて一本算定で財政力指数 1.004となり、合併算定がえを選択しなければ、交付税不交付団体となったことも7月下旬に新聞紙上でも報道され、7日の議員総会でも報告されました。これらの現実、今年度の交付税の決定額、来年度以降の見通し、合併後でも一本算定では、いわゆる裕福な自治体の基準に達したともいえる不交付団体になったこと、市民に豊かさの実感を持ってもらえているのかという問題も含
めて、市長、関係部長の御意見をお尋ねしたいと思います。
2番目に、18年度
法人市民税税収見込みについてです。
上場各企業の18年3月期決算は大幅な増収・増益になったところが多く、日本経済も長いトンネルを抜け、設備投資にも雇用にも明るさが戻ってきたことは皆さんも御承知のところです。ところが、稲沢市の18年度予算案では、
個人市民税は63億 3,600万円と前年比プラスになっていますが、
法人市民税の予算は17億 4,400万円と、前年比2億 2,219万 8,000円のマイナスとなっています。この算定の根拠となっているものは何なのでしょうか。
愛知県では、
法人県民税の超過課税分で行っている
防災治水事業を、
税収見込みが好調なため前倒しで推進しようとしているというようなうわさも耳にしています。市内法人の決算時期はいろいろでしょうが、3月決算の大規模法人の今期の
税収見込みはおよそ立っていると思われます。8月末での今年度
法人市民税の
税収見込みについて、市当局の見解をお尋ねしたいと思います。長年、低迷し続けていた企業業績の向上が当市の税収にも明るい光をもたらすのか、
中小零細企業にまでは回復の恩恵はもたらされていないのか、市の予測をお答えください。
3番目に、
中期財政見通しについてです。
昨年9月、市の企画課では、稲沢市
中期財政見通しを公表されました。一般的に企業などで
中期事業計画とか
中期投資計画という語句を使うとき、通常5年、この激動の時代、3年を意味するときもあります。その中で、市は10年という長い歳月の見通しをつくられました。これは、
新市建設計画の年度と連動したものと理解できますが、これまで、先ほど1、2で述べてきたようなさまざまな事情や、少子化の予想以上の早い進展などが策定以降にわかってきましたが、この見通しの見直しはしなくてもいいのでしょうか。また、この見通しの中の投資的経費の年度ごとの額が、今後の稲沢市が、地域内の各都市との都市間競争に打ち勝つための特色ある施策を打ち出せるかどうかに非常に大きく影響してきますので、少し具体的に変更があればその根拠を、またなければその理由を教えていただきたいと思います。
4番目に、
住民参加型ミニ公募債についてです。
この
ミニ公募債は、新しい形の
市場公募債です。通常の
市場公募債は、全国の債券市場を通じて資金を調達するために、発行額が最低でも 200億円程度と言われており、大きな自治体しか発行が難しく、また購入先も機関投資家が中心です。一方で、それ以外の自治体は、政府の
財政構造改革等の影響により、政府資金の供給が順次減少していく方向にあることなどによって、
民間金融機関からの縁故債というような形での資金調達が増加していっています。
今回提案する、正式に言えば
住民参加型ミニ市場公募地方債とはどんなものかといいますと、市側から見れば地方債の個人消化及び公募化を通じた
資金調達方法の多様化及び発行目的や対象事業を明確化することによって、住民の行政への参加意識の高揚を図ることができるものだと言うことができます。また、市民にとってもみずからの目で見える事業や施策に投資をする
ということで、資金の行く末を見守ることができ、利率も一般的には5年物の国債の利回りか、それ以上に設定されることが多いため、各地で募集口数を上回る応募があることが多いようです。政府の18年度
地方債計画を見ていても、
共同発行公募地方債と
住民参加型市場公募地方債の発行を推進することとしており、特に住民参加型については、17年度の 0.3兆円程度から、18年は 0.4兆円程度と、約 1,000億円の増加を見込んでいます。
次に、具体的にどんな自治体が、どんな事業にということについて少し触れます。比較的最近の例で、規模の小さい自治体のもので、一つ目に福岡県苅田町、18年3月30日に発行額1億円、名称が苅田町福祉と教育の
まちづくり債、対象事業、
コミュニティーバス購入事業、福祉の
まちづくり事業、
苅田小学校建てかえ事業。また、大都市の例ですが、神奈川県川崎市、17年の12月14日に発行です。発行額20億円、名称は
川崎市民債、対象事業は多摩病院。三つ目に、私たちが6月に視察に行った群馬県太田市は、日本の市町村で初めて、14年8月に
太田市民債を発行し、昨年まで毎年1回ずつこれまで4回にわたり、
地区行政センター建設事業などを対象に成功をおさめています。ちなみに、昨年12月の応募倍率は 6.3倍、利率は1.32%と高いこともあって大人気、合計の発行額に当選者数が 526人、平均購入額が94万 9,049円という結果になったということです。
このように、これまで 132の自治体が、累計で1兆 1,048億 957万円、17年度末までの数字ですが、債券を発行しています。当市でもこのような
市民参加型ミニ公募債について検討されたことがあるか、またあるとすれば実現に至らなかった理由は何か。今後の展望として、このような形での地方債は、
市民参加意識を高める上でも有効かと考えられますが、市長と関係部長の御意見をお聞きしたいと思います。
続いて、大きい2番の市民病院についてであります。
まず、経営の実態について。
今9月議会初日に、
稲沢市民病院事業会計17年度決算について、
代表監査委員の下方さんから、「病院経営の状況はもはや看過できるものではない」という非常に厳しい意見の陳述がありました。病院経営の実態は、ほぼこの
決算審査意見書の結びのところの意見に尽きるところがありますが、触れられていない点について私の意見を述べることにいたします。
一つは、ここでも触れられているように、人件費の抑制の問題です。意見書には書いていないですが、医師の減少数に比べて看護師等の減少数が少ない。1年間で 237人から 228人と9人の減少となっていますが、大きく減っているのは助産師で5名の減、これは産科の休診という事情によるものが大きく、経営努力とは言いがたい。看護師、准看護師という人たちはあまり減っていません。給与比率の大幅な伸びの主原因は、ここにあるような気がします。問題は、公務員というほとんど固定的な雇用の形態にあると言ってもいいのではないでしょうか。
もう一つの問題は、一般会計からの補助金、負担金、出資金の問題です。合計で8億 2,560
万余の金額が一般会計から企業会計へ出ています。これは、稲沢市にとっては常識かもしれませんが、私立の病院ならあり得ないことです。一般企業でいったら、どんなことに当たるだろうかというふうに考えると、
企業経営者がこの事業は赤字だがどうしても続けたいので、一般的に言う店主貸しのようなことを行って継続しているとでも解釈したらいいのだろうかと思います。であるとするならば、常識的に考えてこの事業は長続きしません。経済原則に反しているからです。
病院事業は、市民の健康と安心・安全な生活を守るために絶対必要だから、一般会計からの繰り入れは当然だという議論は理解できます。現に、日本全国の多くの
自治体病院はそうしています。しかし、このような経営状態になった心理的な要因の一つに、よく言われているような、10億円までならオーケーですという一般会計の繰り入れの約束が財政規律を乱しているのではないかと私には思われます。
以上、18年7月時点では86.2%にもなると指摘された給与比率の問題、特に看護師さん、薬剤師さんの雇用の流動化という課題について、市長、事務局長、どうお考えか、全体的な経営の実態についてどのような認識をお持ちか、お考えをお聞きしたいと思います。
2番目に、経営改善への方策、「全適」の可能性についてです。
これから、深刻な経営危機に陥っている現市民病院の経営改善の方策として何があるかについて、少し私論を述べさせていただきます。
結論から言うと、昨年12月議会で提案させていただいた
地方公営企業法の全部適用、いわゆる全適しか望みを託する実現可能な経営形態はないのではないかと思われます。その理由についてこれから述べます。
一番大きな点は、先ほどから繰り返し述べているように、今の経営悪化の主原因は、人件費の医業収益に占める割合が非常に高くなっていることだと考えらます。全国の
自治体病院の中で
医業収支比率 100%以上の病院、すなわち一般会計からの繰り入れがなくても黒字となる病院を拾い上げると、職種別の給与総額が医業収益に占める割合がみんな大変よく似ています。総額では39%ぐらい、医師には 9.3%、看護師集団には、経営のよい病院は17から18%と少ない傾向にあります。これは武 弘道さんという方の書かれた「こうしたら病院はよくなった!」という本からの数字です。こうした黒字経営の病院と
稲沢市民病院が一番大きく違うのは、もう一度言うと給与の比率が高いということです。
今の市職員としての身分とそれに基づく給料表による賃金では、せいぜいやれることは勧奨退職、いわゆる肩たたきということぐらいで、ドラスチックな改革は無理です。では、全適だとどうなるでしょうか。
企業管理者、病院では
病院事業管理者ということになると思いますが、経営上の全責任を持って、これまでの市長にかわって職員の任命をし、身分については同じ
地方公務員でも企業職員ということになり、職員には団体権・団体交渉権が認められるようです。
また、給料表を経営状態を反映したものにでき、市長部局から独立したものにできます。
全国自治体病院協議会の会長、
岩手県立病院名誉委員長の小山田 惠氏は、ある講演のインタビューで、「
自治体病院のマネジメントを考えた場合、どういう方法が現実的だと思いますか」という質問に、「開設から1年を経過したばかりの
高知医療センターの例が示すように、一部事務組合による運営は容易ではありません。管理者にどのような権限を与えるかがポイントで、まず全部適用を考えるべきでしょう」と答えてみえます。また、その後で「全適であれば、管理者に相当な権限が付与されますから、法的には完璧ですが、実際には半分はうまくいっていない、権限移譲をしていないか、させないからです」と述べて、「権限移譲を完全に行わないと、必ずうまくいくものではない」とも言っています。
無論、魔法のつえのような解決策があるわけではありません。病院経営の経験があって、しかも経営感覚がすぐれている人材を
企業管理者として登用できるか、本当に大変な仕事だと思います。しかし、
稲沢市民病院の今と近い将来を考えた場合、この全適が最良のものではないかと私は考えます。市長さんは、さきの質問の折に、水道企業団の経験をお話になって、あまり積極的ではなかったように記憶しておりますが、1年を過ぎ、経営のより一層の悪化が明らかになった現在、私の再度の提案についてどのようにお考えか、もう一度お尋ねしたい。また、事務局や建設対策室では、この現状を食いとめる方策として何か具体的な施策を持っていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
以上で1回目の質問を終わります。
◎市長(服部幸道君) (登壇)
加藤議員の御質問にお答えをさせていただきます。
18年度の
地方交付税についてでございますが、御質問の平成18年度の
普通交付税につきましては、出口ベースで全体では前年比 5.9%減の14兆 9,527億円が交付されまして、不交付団体は都道府県では愛知県が、市町村では名古屋市を初め23団体、合わせて24団体がふえて 171団体となったものでございます。稲沢市におきましては、合併算定がえの選択によりまして、19億 394万 5,000円を多くいただけるものでございますが、新稲沢市としての一本算定の結果は財源超過となりまして、一般的には裕福な自治体ととられて不交付団体になったわけではございますが、財政力指数は1をわずか0.04上回っただけで、裕福な自治体となったことは決して実感できない財政状況と感じております。
また、来年度以降の見通しにつきましては、合併算定がえによりまして、平成31年度までは
普通交付税が交付されると考えておりますが、今後交付される金額が逓減することはまず間違いないところがございまして、政府の歳入歳出一体改革、
新型交付税の導入等の検討に代表される交付税改革等の動向により不確定な要素がございますので、経常的な経費の一層の削減、経営の合理化、税等の増収策を図ることが肝要であると考えております。詳細につきましては、
総務部長から答弁いたさせます。
住民参加型のミニ
市場公募債についてでございますが、
住民参加型ミニ公募債、いわゆる
ミニ公募債についてでございますが、地方債の個人消化及び公募化を通じた資金調達手法の多様化及び住民の自治体行政への参加の意識の高揚を図るものと理解をいたしており、地方分権の推進に対応して郷土愛をはぐくむために、加藤議員がおっしゃったとおり、有効な手段の一つではないかと考えております。しかしながら、本市では、発行を検討するとなりますと、継続的に発行が可能な対象事業の選択、発行額の規模等の問題、事務処理における金融機関との密接な連携、また金融機関のノウハウ等が必要になり、直ちに発行できるかというと、なかなか難しいのではないかと考えておりますが、今後市内の金融機関の意向も含めて、調査・研究を進めてまいりたいと考えております。詳細については、総務部長からお答えをさせていただきます。
病院問題ですが、先日の栗田議員に答弁したとおり、平成16年度の産科の休診、小児科の縮小に伴う患者数の減少に引き続き、平成17年度におきましては、さらに内科の医師数の減少による収益の悪化が大きく影響しております。また、収益の減少等に伴う費用面での抑制が不十分であったことも、赤字を拡大させた一因であると考えております。その他詳細については、市民病院の局長の方でお答えをさせていただきます。
それから、御指摘のございました病院経営の全適の問題でございますが、やはり制度等の問題もありまして、かつては市民病院の院長が自治体協議会病院の会長を務めた時期もありました。そんな当時は、病院が赤字になると、国の制度の中で救ってもらうように直接運動もされた経緯もございますが、そのかわり市役所の方は何も物を言うなというようなことで過ごされた時期があります。だから、患者さんの診察が終わったら、もう昼から野球の練習だと、あまり口を出してはいかんよと。そのかわり市の方の支援は受けませんよということで、いろいろとありました。そんな中で病院の経理的な不始末が起きまして、そのときに私も病院へ行けという話で行きました。病院へ行っても、どうも市役所の職員も来ても、病院の先生が利益の中で買われておるという意向がありまして、「いや、私は市長の方から金つきで来ておるんだから、あんたらの言うとおりにはいけませんよ」ということでお願いをしたわけですが、しかしその後、こちら側に要因がありまして、医師会の方からいろいろと要望がありまして、病院でも基準看護をやらないかんようになってきました、看護学校を設けて看護師の養成をせないかん。そんなようなことで、今の繰り出し基準等も定めていただいた経緯があるわけでございます。できる限り、だから先ほども話があったように10億を入れるからいかんと。10億はとりあえずの問題であって、病院を再建するためにやがて借金をするにもしやすいように皆さん方にお願いをしていこうということで、お願いをしてきた経緯もございます。
しかし、経営がこれだけ逼迫してまいりますと、まだその当時は先生方にも節度があって、
患者さんを大量に抱えてやめてしまうというようなことはなかったわけですけれども、そんな事態も起きて、また指摘を受けております看護師さんも、また医療技術の職員も多くないかということでございます。あれだけの建物を持っておりまして、先生が1人やめて開業されたといって、看護師さんまでは連れていってくれません。それで、残っておるのが現状でございます。優秀な、気の合った人は連れていかれるかもわかりませんが、そんなようなことで、まだこれから施設の見直し、それから患者さんがふえることは努力していかないかんことでございますので、また患者さんがふえたら看護師さんを急に雇い入れるということもできない事情もあります。しばらく様子を見て、きちっと適正化に努めていかなければいけないと考えておりますので、また担当の方から説明をさせますが、どうぞよろしく御理解いただきますようお願い申し上げます。
◎市長公室長(平山隆義君)
中期財政見通しについてお答えをさせていただきます。
昨年9月に公表いたしました
中期財政見通しは、
新市建設計画の財政計画のもとに、その時点での前提条件を定め、中期的な見通しをお示ししたものでございます。したがいまして、御指摘のように歳入状況を初め、その前提条件が変われば
中期財政見通しを見直す必要があると考えております。また、歳入の伸びが期待できない中で、少子・高齢化対策や高度情報化などの新たな行政サービスに対する財政負担が、今後も増加していくものと予測されることから、投資的経費につきましても、変更せざるを得ない状況にあると認識いたしております。
現在、第5次総合計画の策定を進めているところでございます。この策定作業の中で本市の行政課題を整理し、事業の目的・目標を再確認した上で、改めて
中期財政見通しを策定してまいります。あわせて、行政経営改革プランに基づき、事務事業の見直しを初め、補助金等の整備・合理化、受益者負担の適正化などの改革を推進し、経費の縮減や財源の確保に努めるとともに、事業の選択や優先順位を決定し、限られた財源を重点配分することによりまして、身の丈に合った行政を目指してまいりたいと考えております。以上でございます。
◎総務部長(森正隆君)
財政についての中、
地方交付税について、
法人市民税、ミニ
市場公募債についてお答え申し上げます。
平成18年度の稲沢市の
普通交付税につきましては、新稲沢市の一本算定では前年度1億 4,031万 7,000円の財源不足から、今年度 7,132万 6,000円の財源超過ということで、不交付算定となったものでございます。合併算定がえの選択によりまして、前年度の交付額と比較いたしますと1億 1,571万 2,000円、 5.7%の減となったものでございます。前年度と比べまして減額となった要因でございますが、社会福祉費、高齢者福祉費、公債費といった経常経費は増加しているものの、政府の地方単独事業の見直しの観点から、投資的経費が大幅に削減され、基準
財政需要額が減額となった一方、
個人市民税、所得譲与税といった基準財政収入額の算定が伸びたため、財源不足が減少したものでございます。
また、今年度の交付額の旧市町の算定の内訳でございますが、旧祖父江町分につきましては、基準財政需要額37億 2,415万 2,000円、基準財政収入額25億 3,469万 8,000円、交付決定額11億 8,034万 3,000円、財政力指数 0.681でございまして、前年度と比較いたしますと1億 2,546万 8,000円、 9.6%の減。旧平和町分につきましては、基準財政需要額23億 2,157万 3,000円、基準財政収入額15億 9,229万 2,000円、交付決定額7億 2,360万 2,000円、財政力指数 0.686でございまして、前年度と比較いたしますと 975万 6,000円、 2.7%の増となっております。旧稲沢市分につきましては、基準財政需要額 311億 4,951万 7,000円、基準財政収入額 136億 5,697万 8,000円、財源超過額は5億 746万 1,000円、財政力指数 1.039となっております。
一本算定では不交付団体となり、市民に豊かさの実感を持ってもらっているかという御質問でございますが、平成13年度から始まりました
臨時財政対策債、いわゆる交付税振りかえ分の起債発行額が今年度も14億 1,600万円ございまして、本質的にはこの金額分が財源不足となっておりまして、この
臨時財政対策債を借りての財政運営でございます稲沢市の財政状況におきましては、決して豊かさを実感できる状況ではないと理解いたしておるものでございます。合併算定がえの制度につきましては、合併による経費削減効果があらわれる一定期間の財源保障をする制度でございまして、合併が行われた年度から10年度間は制度保障され、その後5年間で段階的に増加額が縮減されまして、16ヵ年度以降から、稲沢市ですと平成32年度から一本算定のみとなるものでございます。
次に、三位一体改革に伴う歳入歳出一体改革、新たな
地方交付税制度として平成19年度から導入されます
新型交付税につきましても、算定方式を人口と面積を基本とした簡素な方式とする方向づけがなされております。順次規模を拡大し、3年間で5兆円規模を目指すとされ、平成19年度においては、1割程度算入する予定であるとしておりますが、算定方法等の具体的な中身につきましては発表されておらず、現在のところは把握をできてございません。
いずれにいたしましても、人口20万人以上の都市の半分は、交付税不交付団体への転換を目指すと総務省は言っております。今後、大幅な交付額の削減も予想され、行財政へも大きな影響を及ぼすことになります。また、平成19年度からは三位一体改革に伴います国から地方への3兆円規模の税源移譲が行われますので、交付税に左右されない強固な財政基盤を確立することが肝要と考えているものでございます。
次に、平成18年度
法人市民税の当初予算額の積算根拠についてでございますが、予算編成時点におきましては、一部企業の業績が不調のため、平成17年度の
法人市民税予算額19億 7,319万 8,000円の確保が約2億円ほど厳しい状況にありました中での積算及び各企業の申告の実績をもとにその先の見込みをしましたところ、あまり収入が見込めないと判断いたし積算いたし
たもので、平成17年度当初予算と比較いたしまして、低い予算と算定をいたしたものでございます。平成18年度の収入見込みでございますが、8月末現在での収入済額をもとに見込み額を積算いたしますと、予算は確保できるものと理解いたしております。
次に、住民参加型ミニ
市場公募債についてでございますが、分権、財政投融資資金の改革の流れの中で、住民自治意識の推進の観点、また起債資金の調達手法の多様化を図るため、発行が始まったものと理解いたしております。群馬県が平成13年度末に発行された愛県債を皮切りに、現在は都道府県、市町村を合わせて 100を超える団体で発行されております。平成18年度の
地方債計画には、 3,600億円が住民参加型
市場公募債の資金枠として計上されていることが、加藤議員さんの御指摘でございます。
現在、発行団体は都道府県、政令指定都市、東京都特別区、県庁所在都市が多くを占めておりまして、市町の中でも発行されているところはございます。市町の発行対象事業といたしましては学校などの、いわゆる箱物の建設・施設改修や公園整備、消防車・救急車等の購入、病院の医療機器の整備等の直接市民の目に触れる事業に充てられている例が多いようでございます。また、発行額の量的な問題、事務処理の問題等から県と共同発行、あるいは複数の市町の共同発行という例が散見されます。現在、愛知県内の市町で発行されているところはございません。また、発行レートは5年物個人国債の応募者利回りに少し上乗せをされているようでございます。低いところもございますが、財政融資資金レートから 0.1%ほど高目であり、またさらに金融機関の手数料や債券の印刷経費、PR経費などが上乗せされますので、実際の金利は 0.3から 0.5%ほど高くなっている状況でございます。
償還につきましては満期一括償還となるため、公債費の年度間のでこぼこを避けるためには、継続的な発行が必要であると考えておりますので、継続的な執行適債事業の選択が必要となりますし、現在市場金利が上昇傾向にありますので、発行償還ができなくては意味がないところでございます。いずれにいたしましても、他団体の先例を見ますと金融機関の強力なバックアップなくしては発行事務はできないため、時間をかけて金融機関と共同研究・協議が必要でございます。十分調査・研究を詰めてまいります。以上でございます。
◎
市民病院事務局長(魚住文明君)
市民病院の経営実態についてでございますが、市長が答弁いたしましたとおり、医師数の減少による収益の減と費用のバランスがとれていないと認識いたしております。すなわち、医業収益の減少に対して、固定経費のうち、人件費が比例して減少していないことが大きな要因となっており、看護師の数が入院患者に対して多いということでございます。このことを解消するため病棟の閉鎖をし、看護師を減員する必要があると考えております。さらに、医師を除く職員数につきましても、収益に見合った人数まで減少させる必要があると考えております。
次に、経営改善の方策の一選択肢として、全適の可能性についてでございますが、現在の公
設公営での病院経営の手法として、公営企業法の全部適用についても検討していかなければならないと考えておりますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○議長(飯田瑛一君)
再質問はありませんか。
加藤錠司郎君。
◆11番(
加藤錠司郎君)
それでは、2回目の質問をさせていただきます。
財政について、市長さん、各部長さんにも丁寧に数字を挙げて説明をしていただきまして、ありがとうございました。
政府の歳入歳出一体改革の進展ぐあいによって、今後の見通しには不透明なものがありますが、今年度約19億 400万円の交付税を確保できたのも、合併算定がえの選択の成果と言えます。総務部長がおっしゃるように、交付税不交付団体になったといっても、
臨時財政対策債が14億 1,600万円あって、これを発行しなければ財政運営ができないという状況では、豊かであるとは言いがたいという答弁でありましたが、もともと臨財債は、国が交付税の財源不足を補うために考え出されたもので、その元利償還金は交付税措置されるということだったはずです。また、交付税措置といえば、昨年度から合併に係る諸事業の実行のために発行されている合併特例債も5%が自前の財源、残りの95%の7割については交付税措置されるということでした。この二つの公債費についてどのように基準財政需要額に算定されているのか、説明をしていただきたいと思います。
しかし、結果的には旧稲沢市分においては不交付なわけで、自主財源が少なくても発行できる地方債というようなことになったということです。このような事実を前にして、今後どのような財政運営が必要か、お答えをいただきたいと思います。
ことし5月、新地方分権構想検討委員会は、分権型社会のビジョンの中間報告を出しました。その中で、
地方交付税を地方共有税に、法定率を見直し特別会計にじかに入れ、特例加算、特別会計借り入れを廃止するという具体的な提案をしました。地方側の主張は、交付税の現実は、法令や補助金による歳出や事務事業の国による義務づけを実行するためにそのほとんどが使われ、地方の自由度が増す方向に進んでいない。交付税の
財源保障機能の縮小などを主張するのであれば、国の関与や義務づけの見直しから行うべきであるというのがその論点です。この地方共有税構想について市当局はどのような意見をお持ちか、お聞きしたいと思います。
法人市民税については、先日も市内に本社のある大手スーパーの18年度決算について大幅な赤字へという報道がありました。自動車産業を中心とした西三河地区などに比べて、当地方の景気回復の足取りの重さを感じました。その中で、予算額は十分に確保できるということで、結構なことだと思います。
中期財政見通しについては、今後の投資的経費に充てる額が予想を
下回るものになりそうだということだけを確認しておきます。
市民参加型ミニ公募債についてですが、いろいろと発行の困難性に関することについても言及されました。内容については理解できますが、この公債は行政が行う政策や個別の事業について、市民の参加意識が高揚するという利点があります。具体的に、例えば総額で1億円の公募債を発行した場合、市中銀行からの縁故債という形での資金調達と比べて、手数料、PRなどいろいろな経費を含めて考えた場合どちらが有利なのか、一度試算をお示し願いたいと思います。
それから、市民病院についてです。市長さんのいろいろな御意見がございましたが、局長からは余りにもそっけない答弁で、全適の可能性について具体的にお尋ねしたにもかかわらず、検討していかなければならないという程度では、これまでと比べても一歩も前進はしていません。医師の不足の解消が思うに任せない現状で、事務局長の言われる病棟閉鎖でどれくらいの看護師さんを減らすことが可能か、具体的な見通しがあるのか、お答えをいただきたいと思います。
公設公営である現病院の抜本的な経営改善、いや生き残り策にはどんなものがあるか、選択肢はそれほど多くないと思われます。本当に真剣に、しかも迅速に結論を出さなくてはならないときが今そこに来ていると感じています。医師、看護師、薬剤師、医療技師、事務職員に至るまで、経営悪化という現状認識と改善に対する意識の変化にも直結する
地方公営企業法の全部適用、一つのショック療法にもなると思いますので、前向きな回答をもう一度事務局長にお願いして、2回目を終わりたいと思います。
◎総務部長(森正隆君)
地方交付税の
臨時財政対策債、合併特例債の元利償還金がどれくらい交付税措置されているかという御質問でございますが、旧稲沢市におきましては、
臨時財政対策債が1億 5,428万 4,000円、合併特例債が 1,948万円、合わせて1億 7,376万 4,000円。旧祖父江町におきましては、
臨時財政対策債が 4,454万 7,000円、合併特例債が 790万 2,000円、合わせて 5,244万 9,000円。旧平和町におきましては、
臨時財政対策債が 3,238万 4,000円、合併特例債が89万 2,000円、合わせて 3,327万 6,000円、3市町を合計いたしますと、
臨時財政対策債が2億 3,121万 5,000円、合併特例債が 2,827万 4,000円、合わせて2億 5,948万 9,000円が公債償還費として平成18年度の基準財政需要額に算入されております。